スコットランド・テイサイド州の医療データベースから,1994~2003年の間に診断された2型糖尿病患者13,344例の、新規にメトホルミン治療を開始した2型糖尿病患者4,085例とメトホルミン非使用の2型糖尿病患者4,085例(コントロール群)で比較しました。 メトホルミン使用患者は、非使用者に比べて癌発症リスクが有意に低いことが示されました。
メトホルミン投与患者の大腸がん、肺がん、乳がん発症の補正ハザード比はそれぞれ0.6、0.7、0.6と各種がん発症リスクの低下が認められました。さらに、メトホルミン投与患者において全死亡率、がんによる死亡率の補正ハザードはそれぞれ0.42、0.63と有意な低下が認められました。低用量よりも高用量においてがんリスクの減少傾向がみられました。
...Libby G et al.: Diabetes Care 2009;32(9):1620-5
日本おいて、死亡への寄与度が高いのは
高血圧・・・侮れません。
降圧薬に頼らなくても、減塩や、日々の運動にて改善できるのが高血圧であります。減塩食や運動習慣身に着けていきましょう。
人工甘味料も結局は糖尿病を誘発、増悪させます。
人工甘味料(アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース)を摂取しても血糖値、肥満の原因となるインスリン値は上昇しません。しかし、欧米の多数の臨床研究では、人工甘味料の代表的な摂取源である”ダイエット清涼飲料水”が、糖尿病の発症を高めるという報告が相次いでなされています。理由としては、人工甘味料の摂取により腸内細菌叢が変化して、インスリン抵抗性が増大するからだとしています。
悲しい話ですが、ダイエット清涼飲料水も控えたほうが賢明ですね。
米国糖尿病学会(ADA)/欧州糖尿病学会(EASD)の2型糖尿病治療についての合同レポート が発表されました。
(Diabetes Care 2018年10月4日 オンライン版)
メトホルミンをベースにして・・・
動脈硬化性心血管疾患のあるかた
GLP-1受容体作動薬またはSGLT2阻害薬
心不全または慢性腎臓病のあるかた
第一優先:SGLT2阻害薬
第二優先:GLP1受容体作動薬
体重増加を最小化・減量
GLP1受容体作動薬またはSGLT2阻害薬
低血糖を最小化
DPP4阻害薬、GLP1受容体作動薬、SGLT2阻害薬、チアゾリジン薬、
医療費を重視
SU薬、チアゾリジン薬
動脈硬化性心血管疾患や心不全、慢性腎臓病がない場合は、①低血糖②体重③医療費 の面から第二選択薬が選ばれます。